東京女子医科大学 放射線腫瘍学講座

放射線治療について

頭頸部がんの放射線治療

 放射線治療の大きな特徴に、①放射線治療を行った部位にのみ治療の効果と副作用が出現する、②形態を保ったまま治療が可能である、という点があります。頭頸部がんが発生する顔面や口腔、頸部は、食事に関連する動作(嚥下)や発声など様々な機能を有し、また容貌にも大きく影響する部位であることから、形態や機能の温存に優れる放射線治療は、がん治療の根幹として大きな役割を果たしています。
 がんでは治癒率の向上、すなわちがん細胞をいかに完全に死滅させられるかを目指すためには、より多くの放射線を照射する必要がありますが、機能や形態の温存を図るためには、より正常組織への放射線の線量を減らす工夫が必要です。
 早期喉頭がんなど、照射する範囲が狭く、周囲に放射線による機能低下があまり生じない部位のがんでは、従来から行われている放射線治療でも良好な治療成績と、実生活に支障がない程度の副作用で治療が可能です。しかしリンパ節転移を生じやすく周囲に放射線に弱い大切な臓器が近い、上咽頭がんや中咽頭がんなどでは、腫瘍に対し根治線量を投与し、かつ周囲の正常組織を避けながらの照射は、これまでの放射線治療では難しく、がんは治癒したものの、治療後長期にわたり治療後の副作用や機能の低下により日常生活に困ることもしばしばありました。この対策として強度変調放射線治療(IMRT)による、より病巣部に集中した放射線治療が行われるようになってきました。東京女子医科大学放射線腫瘍科では、2007年から頭頸部癌に対するIMRTを開始し、特に進行期の頭頸部癌や早期上咽頭癌・中咽頭癌に対し、これまでの治療法と比べても良好な成績と副作用の軽減が図れています。
 ただし、IMRTも万能ではありません。通常治療や手術のほうが良いと判断される場合もありますので、治療をご希望の方は、耳鼻咽喉科、放射線腫瘍科を受診して、専門医にご相談ください。

 

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